ニコンDX機で使うニッコール(3)


FUJI X-T1 + Micro-NIKKOR 55mm 1:3.5

Micro-NIKKOR 55mm 1:3.5

 「切れ味鋭い短刀」とでも言おうか、定番のマイクロレンズだが、個人的に通常のレンズでいまひとつ撮影がしっくりこない時にはこのレンズの出番となる。ニコンのDX機ではないが、以前FUJIのX-T1を試し撮りをしていたときRAYQUALのXマウントーFマウントアダプタで装着してみたら、しっとりとしたフジの階調にニッコールのシャープさが加わった画質が非常に新鮮であった。私自身、ボディとレンズはあまり異なるメーカーを合わせないで、できるだけ揃えたいとは思っているのだが、意外な組み合わせは、各メーカーの画質や描写の考え方の違いが浮き彫りになり、それぞれの道具の性格を知る上で有意義なのかもしれない(もちろん異論はある)。Z fcでどんな画質になるかはわからないし、新しいZマウントのマイクロレンズの方が高性能であろうが、Z fcの優れたファインダーで手動でピントを決めていくのも面白いのではないだろうか。

続きを読む

ニコンDX機で使うニッコール(2)


NIKON D90 + Ai Nikkor 35mm F1.4S

Ai Nikkor 35mm F1.4S

 ライカのレンズのように柔らかい中に合焦面が立つような画が欲しい場合、明るいF1.4レンズが必要となるが、画角35mmとなると、ライカのズミルックス、ツァイスのディスタゴン、そして国産主要メーカーの明るいレンズでも大変高価になってくる。ある程度購入しやすい価格で、APS-Cボディでもフルサイズでも使える本格的なレンズがいいという方には、ニコンであればこのレンズが最適となろう。また、フルサイズ機(フィイルム機含む)とニコンDX機の2台の運用で広角と標準の使い分けができるのも妙味がある。

続きを読む

ニコンDX機で使うニッコール(1)


NIKON D90 + AI Nikkor 24mm F2S

Z fc

 ニコンからZ fcが発売されることになった。そのスタイルはかつてのFM2によく似たデザインで予約も好調という。ニコンにとってこの新機種はZマウントユーザーの裾野を拡げる重要な役割を担っているのであろう。しかしながらアダプターを介して古いニッコールを付けて撮ってみようかと思案している方もおられるかもしれない。ニコンの思惑から少々ズレるかもしれないが、Z fcをきっかけとして少しでもフィルム時代のカメラやレンズに興味を持ってもらうべく、普段ほぼ古いカメラばかり撮影している私が、独断と偏見でニコンDX機で使うお勧めニッコールレンズを紹介してみようと思う。防湿庫で深い眠りについていたニコンD90を久しぶりに引っ張り出して撮影に出かけた。

続きを読む