Micro-NIKKOR 55mm 1:3.5
「切れ味鋭い短刀」とでも言おうか、定番のマイクロレンズだが、個人的に通常のレンズでいまひとつ撮影がしっくりこない時にはこのレンズの出番となる。ニコンのDX機ではないが、以前FUJIのX-T1を試し撮りをしていたときRAYQUALのXマウントーFマウントアダプタで装着してみたら、しっとりとしたフジの階調にニッコールのシャープさが加わった画質が非常に新鮮であった。私自身、ボディとレンズはあまり異なるメーカーを合わせないで、できるだけ揃えたいとは思っているのだが、意外な組み合わせは、各メーカーの画質や描写の考え方の違いが浮き彫りになり、それぞれの道具の性格を知る上で有意義なのかもしれない(もちろん異論はある)。Z fcでどんな画質になるかはわからないし、新しいZマウントのマイクロレンズの方が高性能であろうが、Z fcの優れたファインダーで手動でピントを決めていくのも面白いのではないだろうか。
幾度となく試し撮りの度に彼には被写体になってもらっているので、「またお前か」という表情をされてしまう。
「もうそろそろいいだろ」と無言の主張を彼の右手に感じたので「すいません」と言ってそそくさと彼から離れる。
フジのしっとりとした階調の中にニッコールの鋭い描写。
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