写真の店ラッキー


写真の店ラッキー

 そこは閉まったままのシャッターが目立つ、失礼ながら繁盛しているようには見えない商店街。中ほどにあるペンギンカメラで用事を済ませ京急の子安駅に向かって歩いていくとふと薄暗いカメラ屋さんが目に入る。私の郷里の広島市内にもこのような古い写真機がガラスの窓際に並んだカメラ屋が点在していたな、と懐かしく思いながらその陳列棚に飾られたカメラをしげしげと眺めた。見るとローライプラナーを付けたフォクトレンダー機の近くには軍艦部が取れかかっているペトリ。入り口近くの棚を見るとTコート付きのJenaゾナーやS型ニコンなどなかなかマニアックである。

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プロジェクター用のようなレンズ


見慣れないレンズ

 とあるカメラ修理屋さんのご主人と談笑していたところ、「そこにあるダンボールのもの持って行っていいいよ。もらい物だし、邪魔になるから」と言われ、箱の中を見るとスクリューマウントだろうか望遠レンズや引き伸ばしレンズ、古いパトローネなどジャンクな物がたくさん入っている。使わなくなって処分に困った方がカメラボディやレンズを修理屋さんに持ち込んでくることがよくあるらしい。中にはくもり玉だがタナーの13.5cmF3.5があり、「うわぁありがとうございます」と言いつつも、でも自分の部屋もジャンクなカメラやレンズで溢れかえっており置き場所に困るだけかもと思いながら、それでもホクホクしながら持ち帰ったのである。

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RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO


RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO

 現代では単焦点レンズに匹敵、あるいはそれ以上の描画能力を持つズームレンズが存在するので、1970年代、80年代のズームレンズ創成期の頃のものはあまり顧みられることは少なく、中古価格も希少なものを除いて非常に安値に置かれている。古いカメラを愛好している方も、わざわざ大きく重い、描写もそれほどでもないズームレンズよりも、軽く写りの良い単焦点レンズを持ち出す方が多いでしょう。私も長い間、古いズームレンズに対するそのような偏見(というと大げさだが)を持っていたが、今回のリケノンズームは、この見方が全く間違いであることを認識させるものであった。

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