人工鑑賞

人工鑑賞者

 一日の閲覧者がせいぜい数十人の私のこのサイトは、広大なネット空間からすると全くの場末な存在なのだが、自ら管理しているサーバーのアクセスログを覗いてみると、今や燦然と輝く米国AI企業のBOTが、私が気が付かない間に数多く訪問しているようだ。もちろんこれは生身の人間が閲覧していないので、Google Analyticsにはユーザーとしてはカウントされていない。しかしながら、OpenAIはもとよりGoogle、マイクロソフト、アマゾン等々のBOTがアクセスログに足跡を残しているので、それら各社のAIによって当Webページに掲載されている文章や画像の内容のデータを収集し利用されているのであろう。

続きを読む

コラム

革命について

革命について

 ハンナ・アーレントは著書『革命について』(On Revolution,1963)において、「革命」という言葉は本来天体の回転運動を意味し、それは人間があらがうことができない動きであり、新しさや暴力といった特徴としたものではないのだと説いた。

続きを読む

コラム

仮象化の世の中で

メディウムの更新

 現在の美術教育の現場がどのようなものになっているのかは分からないが、私が学生の頃に習ったことは、まず最初に作品を描く土台である基底材(あるいは支持体ともいう)を自分で組み立てることから始まった。角材や板を切ってパネルを組み、布、あるいは和紙を貼り、下地を塗る。ここで注意しないといけないのは、使用する絵の具の性質によって適切なメディウムを選択しないと、せっかく描いたものが剥落したり退色したりするのだ。素材の選択の影響で剥落してしまった最も有名な例はレオナルド・ダ・ヴィンチが漆喰の上にテンペラで描いた最後の晩餐であろう。

続きを読む