シグマ

シグマの内田亮氏

季刊カメラレビューNo.2より。貫井提吉氏の姿も。

 ImpressのデジカメWatchにシグマの内田亮氏が紹介されていた。

 写真業界 温故知新 第2回:内田亮さん(元シグマ常務取締役)(Impress Watch)

 インプレスの記事の中の内田氏は温和な表情で若き日のにこやかな写真も紹介されている。しかし約40年前のカメラレビュー誌での内田氏の姿は非常に尖った印象だ。この記事を読んで以降、私はシグマのレンズに対してこの座談会の内田氏の写真同様に尖ったイメージを抱いている。

 座談会の中でカメラの電気化は進むだろうかという問いに、カメラ研究家の藤田直道氏は電気でいかにカメラの機械を動かすかがカギになると答えたのに対し、内田氏は

 「いや、ぼくは全部電気になると考えている。例えば、シャッターも、電気的に動かすようになるんじゃないか。電気的に、要するに液晶を変えるような格好で、メカ的には全く動かさない。電気でやってしまう。」(P.61)

 と述べている。



Nikomat FTN / SIGMA ZOOM-θ 1:3.5-4.5 f=28-80mm Kodak 400TMAX



Nikomat FTN / SIGMA ZOOM-θ 1:3.5-4.5 f=28-80mm Kodak 400TMAX

出典

レタッチ

特集「レタッチしすぎの罠」

 アサヒカメラ2019年9月号の特集記事「レタッチしすぎの罠」を遅ればせながら大変興味深く読ませてもらった。アサヒカメラ誌は言うまでもなくカメラ・写真系の出版物の中でも最も有名な雑誌で、そこはプロ・アマ問わず大変ハイレベルな写真作品でなければ掲載されないだろう。そんな権威ある雑誌が個人が自由に参加できるインスタグラム、俗に「インスタ映え」と言われる特に派手な色彩の写真に対して批判的な記事を書いている。

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仙人が作ったレンズ


ミノルタ

 今なお、かつて存在していたカメラメーカーであるミノルタを懐かしむカメラ好きは多い。1980年代に多感な時期を過ごした世代にとって、印象的だったX-7のCMや、プロ向けの硬派なイメージのあるニコンやキヤノンにはないスマートさを実体験として記憶しているし、2000年代前半、神尾健三氏をはじめ、かつてミノルタに在籍していた技術者たちが社内での出来事を、様々なレビュー誌や書籍に書き残してくれたことも大きく影響しているのではないだろうか。ミノルタに関することを調べて行くと、その技術者たちが口を揃えて言及している人物がいる。今回その強烈な存在であるレンズ設計者にスポットをあて、また彼をモデルにして登場させている小説と、彼の残したレンズをレビューしてみた。尚、本稿は木辺弘児著「ズガ池堤の家 *[1] 2001年 木辺弘児
(大阪文学学校●葦書房)
」、「日々の迷宮 *[2] 2005年 木辺弘児(編集工房ノア)」の内容を含みますので、未読の方はご注意ください。

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