特集「レタッチしすぎの罠」
アサヒカメラ2019年9月号の特集記事「レタッチしすぎの罠」を遅ればせながら大変興味深く読ませてもらった。アサヒカメラ誌は言うまでもなくカメラ・写真系の出版物の中でも最も有名な雑誌で、そこはプロ・アマ問わず大変ハイレベルな写真作品でなければ掲載されないだろう。そんな権威ある雑誌が個人が自由に参加できるインスタグラム、俗に「インスタ映え」と言われる特に派手な色彩の写真に対して批判的な記事を書いている。
派手派手なもの
よく読んでみると分かることだが記事を書いた米美知子氏、山口高志氏は決してインスタグラムを批判しているのではなく、安易なレタッチに対して意見を述べられている。“「インスタ映え」写真、見飽きました”と若干煽り気味の編集後記を書いた編集長も議論を呼び込むことを狙ってのことであろう。例えれば権威あるファンション誌が大阪のおばちゃんの派手なファッションセンスに文句を言っているようで滑稽だ。大阪おばちゃんファッションもインスタ映えの作風も一種のブランド化しており、頻繁に見ると鬱陶しいが、おばちゃんがカッコいい服を着る人になったり、地味な作風のインスタばかりになると、それはそれで寂しいと私は思う。
リバーサルフィルムのスキャニング
下に掲載している写真は富士フイルムベルビア100で撮影したものをスキャナーplustek Optic Film 8100で取り込んだもの。スキャナーソフトはSilver Fast 8.8.0。上段は主要な設定をせずニュートラルな状態で取り込んだもの。下段は色調、シャープネス等を設定したもの。業務用のスキャナーではないのでポジフイルム特有の透過の感じを出すのは難しいが、それでもここまで仕上げていくことができる。主要な画質の修正はSilver Fast上での作業で終わらせており、Adobe Photoshopではリサイズと数カ所の傷の補修のみにとどめている。等倍では荒く見え、引いて見るとシャープな感じが増すように仕上げると良い。
Zeiss Ikon / Topcor-S 1:2 f=5cm FUJI Velvia100
Zeiss Ikon / Topcor-S 1:2 f=5cm FUJI Velvia100
Nikon F801 / Micro-NIKKOR 55mm 1:3.5 FUJI Velvia100
Nikon F801 / Micro-NIKKOR 55mm 1:3.5 FUJI Velvia100