minolta HI-MATIC E


minolta HI-MATIC E

 minolta HI-MATIC Eはフィルムの感度を設定するだけで絞りやシャッタースピードはカメラ任せである。シャッターを押す感触の手応えが無いのが少し残念なのだが、そのおかげか手振れせず、結果的に失敗の少ない写真が残るように思う。作例は、5年前に友人に連れられて行った東京モーターショーでの写真。さすがにフィルムカメラを持ち歩いているのは私しかおらず、会場は薄暗く、しかもフラッシュも無し、リバーサルフィルムでまともに写るのかと思ったが、暗部は潰れているもののリバーサルらしいシャープな写真が撮れていた。

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仙人が作ったレンズ


ミノルタ

 今なお、かつて存在していたカメラメーカーであるミノルタを懐かしむカメラ好きは多い。1980年代に多感な時期を過ごした世代にとって、印象的だったX-7のCMや、プロ向けの硬派なイメージのあるニコンやキヤノンにはないスマートさを実体験として記憶しているし、2000年代前半、神尾健三氏をはじめ、かつてミノルタに在籍していた技術者たちが社内での出来事を、様々なレビュー誌や書籍に書き残してくれたことも大きく影響しているのではないだろうか。ミノルタに関することを調べて行くと、その技術者たちが口を揃えて言及している人物がいる。今回その強烈な存在であるレンズ設計者にスポットをあて、また彼をモデルにして登場させている小説と、彼の残したレンズをレビューしてみた。尚、本稿は木辺弘児著「ズガ池堤の家 *[1] 2001年 木辺弘児
(大阪文学学校●葦書房)
」、「日々の迷宮 *[2] 2005年 木辺弘児(編集工房ノア)」の内容を含みますので、未読の方はご注意ください。

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