カメラレビュー第4回 Neoca S + ZUNOW 1:1.8 f=4.5cm
Neoca S + ZUNOW 1:1.8 f=4.5cm + PROVIA100F
伝説のレンズメーカー
撮ったフイルムをスキャナーに取り込む前に、トリミングやコントラストの調節等のため、あらかじめプレビュースキャン(低解像度のスキャニング)をするのだが、粗い画像のプレビューにもかかわらず、非常にシャープな写りとしっかりした色乗りに思わず「こりゃ凄い」と声を出してしまった。帝国光学のZunowというレンズは、それが生産されていた当時から半世紀以上経た現代に至るまで、多くの写真家、批評家、カメラマニア達から一目置かれているのではないだろうか。それは1953年、世界で初めてF1.1の明るさのレンズを生み出し、その個性的な造りと解放の独特な描写、それを考えた天才的な技術者、そしてわずか数年の製造期間で倒産してしまったことなど数々の要因が重なり、レンズそのものが伝説的な存在になってしまっている。それゆえ、現存するズノーレンズは中古価格において非常に高額な取引がされており、なかなか入手し辛い状況である。