RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO


RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO

 現代では単焦点レンズに匹敵、あるいはそれ以上の描画能力を持つズームレンズが存在するので、1970年代、80年代のズームレンズ創成期の頃のものはあまり顧みられることは少なく、中古価格も希少なものを除いて非常に安値に置かれている。古いカメラを愛好している方も、わざわざ大きく重い、描写もそれほどでもないズームレンズよりも、軽く写りの良い単焦点レンズを持ち出す方が多いでしょう。私も長い間、古いズームレンズに対するそのような偏見(というと大げさだが)を持っていたが、今回のリケノンズームは、この見方が全く間違いであることを認識させるものであった。

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カメラレビュー第9回 ヤシカ(1)


YASHICA

 ヤシカについてみなさんはどんなイメージをお持ちであろうか。大衆機、安っぽい、でも良く写る、そもそも知らない等々、きっと受け止め方は世代によって違うでしょう。最近ではブランドを取得した企業がヤシカエレクトロMCに似たデジタルカメラを発売しているので耳にした方もいらっしゃるかもしれません。もちろん今回レビューしたいのはそのYASHICAではなく、半世紀前にカメラ市場を賑わしていた日本のヤシカの方で、今後数回に渡って取り上げたいのですが、いまだ修理中のボディや入手できていないレンズもあり、かなり長期戦になるのでご了承願いたい。

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カメラレビュー第7回 NIKKOR 5cm F1.1 + Z 7(4)


Nikon Z 7 / Nikkor-N 1.1 f=5cm (SS1/100 , F1.1 , ISO400)

NIKKOR-N 1:1.1 f=5cmで柘榴を撮る

 柘榴(ザクロ)はその生々しい赤い色彩が人間の血液を連想させることから、キリストの受難や復活、鬼子母神の伝説など洋の東西を問わず物語の暗示として描かれてきた。人物であれ静物であれザクロと共に画中に取り入れると、その作品は宗教上の意味を帯びることになる。

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