W-NIKKOR.C 1:1.8 f=3.5cm (1)


Nikon S2 + W-NIKKOR.C 1:1.8 f=3.5cm / FUJICHROME VELVIA 50 (Cropping)

W-NIKKOR.C 1:1.8 f=3.5cm

 昭和31(1956)年発売。ニッコール創成期の礎を築いた東秀夫氏の設計。一昨年Nikon Z6、Z7が発表された時、まず単焦点の35mmF1.8、50mmF1.8(あとズームレンズも)を出すと聞いて、ニコンは新しいマウントを原点に戻って構築しようとしてるのだなと思ったが、そのとき私がまず思い浮かんだのがこのW-NIKKOR.C 1:1.8 f=3.5cmだ。

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カメラレビュー第9回 ヤシカ(2) TOMIOKA


Yashica Penta J + Tomioka Tominon C. 1:2 f=5cm / FUJICOLOR C200 (Cropping)

TOMINON

 富岡光学製のレンズを評するときにしばしば言われる「トミオカの写り」というものがあるが、具体的にどういうものなのか私は分からないでいた。それは富岡光学が多くのメーカー向けに様々なタイプのレンズを製造していたということもはっきりしない原因のひとつであろう。ヤシカのカメラに注目するにあたって、いくつかのTOMIOKA銘のレンズと富岡がOEMで製造されたとされるものを試写し、このいささか神格化された感のあるメーカーのレンズを批評するにはまだまだ使い込みが足りないのだが、現時点で私が言えるのは「トミオカの写り」を本当に味わいたいのであればTOMIOKA、あるいはTOMINON銘のレンズを買っておけ、と言うことだ。

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RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO


RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO

 現代では単焦点レンズに匹敵、あるいはそれ以上の描画能力を持つズームレンズが存在するので、1970年代、80年代のズームレンズ創成期の頃のものはあまり顧みられることは少なく、中古価格も希少なものを除いて非常に安値に置かれている。古いカメラを愛好している方も、わざわざ大きく重い、描写もそれほどでもないズームレンズよりも、軽く写りの良い単焦点レンズを持ち出す方が多いでしょう。私も長い間、古いズームレンズに対するそのような偏見(というと大げさだが)を持っていたが、今回のリケノンズームは、この見方が全く間違いであることを認識させるものであった。

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