ラバウルの土

 今の時期テレビでは先の戦争に関する様々なドキュメンタリー番組が放映されているが、視聴するたびにあの戦い方や軍幹部の決断は、なんとかならなかったのだろうかとキリキリとした気持ちになってしまう。

 しかしこの「なんとかならなかったのか」という気持ちは、数十年戦争とは無縁の生活を送ってきた者の傲慢な意見であろう。今では実際に戦場で戦ってきた方の体験談を動画で見ることができる。その壮絶さは「なんとか・・・」などと言ってはいけないことを教えてくれている。私の祖父は遥か南方のラバウルの土になっている。お国のために戦死した人を英霊と言うが少し大仰に感じる。私にとっては、壮大な国家事業に田舎から駆り出されて命を落とした農村の青年だ。自分自身歳を重ねるにつれて私は祖父によって生かされていると実感するのである。