カメラレビュー第7回 NIKKOR 5cm F1.1 + Z 7(4)


Nikon Z 7 / Nikkor-N 1.1 f=5cm (SS1/100 , F1.1 , ISO400)

NIKKOR-N 1:1.1 f=5cmで柘榴を撮る

 柘榴(ザクロ)はその生々しい赤い色彩が人間の血液を連想させることから、キリストの受難や復活、鬼子母神の伝説など洋の東西を問わず物語の暗示として描かれてきた。人物であれ静物であれザクロと共に画中に取り入れると、その作品は宗教上の意味を帯びることになる。

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カメラレビュー第7回 NIKKOR-N 1:1.1 f=5cm + Z 7(1)


 「大口径レンズに於ては文献などに表されているような普通の収差曲線のみを見て、その善し悪しは軽々に判定出来ない」

 1956年写真工業6月号の誌面上、当時新しく発表したニッコール5cmF1.1レンズの解説でこのレンズの設計した村上三郎はこう述べている。続けて

 「優秀な収差曲線を得て、設計値がまとまり、さて制作した結果は予想に反してまずいレンズが出来ることがよくあるものである。従って鏡径比の小さいレンズとは全く異なり、結像のさまたげとなると予想される収差の要素は見逃すことなくむしろ探し求めて、驚くべき計算力を惜しみなくかけねばならぬことになり、まことに大仕事であった」

と結ぶ。

 NIKKOR-N 5cm F1.1。ニッコールの名のつく35mm用カメラレンズの中で、一番明るいレンズとして半世紀以上経た今も輝き続ける大口径レンズだ。ニコンが現在開発中のZマウントF0.95レンズが出ればその座を明け渡すことになるが、その前にこのレンズをニコンのミラーレス機で使ってみることにする。

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