W-NIKKOR.C 1:4 f=2.5cm (2)


Voigtlander Bessa-R2S + W-NIKKOR.C 1:4 f=2.5cm / FUJICHROME Velvia 50 (Cropping)

W-NIKKOR.C 1:4 f=2.5cm

装着する時は必ずレンズ、ボディ共に無限の距離にしておくこと。装着後、ボディの距離調節の回転ギアを回して、動きがレンズと連動しているか確認しておこう。

 現代のデジタルカメラで広角レンズによって撮られた画像は、周辺減光や歪みなどのなんらかの補正がなされている場合が多い。レンズの性能を補うデジタルの利点といえるが、一方、このような「加工」に対して少し抵抗のある方もおられるであろう。フィルムの時代では加工と言っても、現像や印刷前のレタッチでの非常に限られた修正しかできず、特に広角の歪みはレンズの能力によることが多かった。レンジファインダーニコンS時代に生み出されたこのW-NIKKOR.C 1:4 f=2.5cmは、そのレンズ構成から製造に非常に困難を伴ったのではないかと伝わる。トポゴン型のこの2.5cmは、ニコンSマウント用、ライカスクリューマウント用と合わせても3000本も満たないと言う。レンズの力のみで描写される直線は非常に迫力のある広がりを見せてくれる。

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NIKKOR 50mm F1.8S


ニッコールの芸術性

 少し絞ると素直な描写で、開放では多少ざわつくことも多いが、光の加減によるものなのか、はたして距離にもよるのか、時折、はっとするような芸術性の高い描写をすることがある。このあたりをうまく使いこなすことがニッコールの醍醐味なのだろう。

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作例 ,

メメント・モリ


Nikon Z 7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

メメント・モリ(memento mori)

 人の死や宗教の話題はデリケートな要素があるので扱いが難しいのだが、ここ最近の世の中の風潮の中で、このメメント・モリ(死を忘れるな)という言葉とブリューゲルが描いた「死の勝利」のイメージが頭の中に巡り続けている。

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