カメラレビュー第1回 Leica Ⅱ(DⅡ) + Leitz Elmar 50mm F3.5(Nickel)
Leica II(DII) + Leitz Elmar 50mm f3.5(Nickel)
ライカⅡ型(DⅡ)
古今東西、有名無名問わず、非常に多くの人々に語られ、他のカメラマニアと同様、様々な古いカメラやレンズを使い込んできても、どうしても語りたくなるのは、やはりこのカメラが特別な位置に存在しているからであろう。自分なりにレビューする前に、最初からこんなことを書くのは身も蓋もないが、ライカⅡ型(DⅡ)を使っていて、もうフィルム写真機はこれだけで十分良いのではないかと思う時がある。ふとしたきっかけで購入し数年を経たが、被写体を写し取ることは何なのか、カメラの魅力はどういうことなのかを、未だにこの古い写真機とレンズから教わり続けているのだ。様々なメーカーのカメラを使用してきたが、このライカⅡ型のデザインの美しさや、エルマーが描き出す撮影結果を見るたびに、時が経つにつれてその思いが強くなった。
半世紀どころか80年以上前に作られたライカII型(DII)は、それ以前に0型(ヌル・ライカ)からライカI型(A〜C型)まで存在するが、距離計やレンズ交換ができるなど写真機としての主要な機能を備えたカメラとして、同時期に発売されてたContax Iと共に歴史の節目となるカメラである。私が入手したのはシリアルナンバーが9万1000番台、1932年に製造されたものであった。