LEONON 1:2 f=5cm


よりフイルムらしく撮る

 1950年代のライカコピーのスクリューマウントレンズの中でニッコールやトプコール等の名門ブランド以外で最も面白いと感じたレンズがこのLEONONだ。もともとレオタックスカメラは戦前から写真機を生産していた名門だが、レンズは主にトプコールが付けられて販売されていた。1950年代末期カメラ業界の競争激化で各社コストダウンを余儀なくされる中、自社製ブランドとして世に出たレンズのため、言葉が悪いが安物のイメージが付きまとってしまう。しかし実際に撮ってみると決して安い写りではなく、より渋く、より粒状感たっぷりに仕上げると力強い絵になる。意外と都内の中古カメラ店でちらほら見かけるレンズ。よりフイルムらしいものに仕上げたい方におすすめだ。

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ストリートアートを撮る


Lord SE Highkor 1:1.9 f=40mm / FUJIFILM Velvia50

ストリートアート

 昨日(2019年9月15日)の日経新聞日曜版に「ストリートアートのある街」と題してエル・ボチョやバンクシー等の作品が掲載されていた。ストリートアートと言えば聞こえが良いが、要は落書きである。これを芸術作品として扱っていいかどうかは議論がなされているが、許可を得ていないものは基本的に違法で、消されても文句は言えない。

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カメラレビュー第8回 Tanack V3 + TANAR5cm(2)


TanackV3のフイルムインジケーター

 正直なところ私は使うことはないのだけれど、Tanack V3の裏蓋にあるフイルムインジケーターは大変個性的である。中心点を少しずらした蜘蛛の巣のようなデザインで格好良い。見る人によっては眼球に見えたり、下部の白い形が白山で夜空の星座が映し出されているようにも見える。田中光学は当時多く存在したライカを模倣するカメラメーカーの一つであったが、この丸い露出算出表は他のカメラには見られない逸品な見栄えだ。

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