カメラレビュー第9回 ヤシカ(2) TOMIOKA


Yashica Penta J + Tomioka Tominon C. 1:2 f=5cm / FUJICOLOR C200 (Cropping)

TOMINON

 富岡光学製のレンズを評するときにしばしば言われる「トミオカの写り」というものがあるが、具体的にどういうものなのか私は分からないでいた。それは富岡光学が多くのメーカー向けに様々なタイプのレンズを製造していたということもはっきりしない原因のひとつであろう。ヤシカのカメラに注目するにあたって、いくつかのTOMIOKA銘のレンズと富岡がOEMで製造されたとされるものを試写し、このいささか神格化された感のあるメーカーのレンズを批評するにはまだまだ使い込みが足りないのだが、現時点で私が言えるのは「トミオカの写り」を本当に味わいたいのであればTOMIOKA、あるいはTOMINON銘のレンズを買っておけ、と言うことだ。

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写真の店ラッキー


写真の店ラッキー

 そこは閉まったままのシャッターが目立つ、失礼ながら繁盛しているようには見えない商店街。中ほどにあるペンギンカメラで用事を済ませ京急の子安駅に向かって歩いていくとふと薄暗いカメラ屋さんが目に入る。私の郷里の広島市内にもこのような古い写真機がガラスの窓際に並んだカメラ屋が点在していたな、と懐かしく思いながらその陳列棚に飾られたカメラをしげしげと眺めた。見るとローライプラナーを付けたフォクトレンダー機の近くには軍艦部が取れかかっているペトリ。入り口近くの棚を見るとTコート付きのJenaゾナーやS型ニコンなどなかなかマニアックである。

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プロジェクター用のようなレンズ


見慣れないレンズ

 とあるカメラ修理屋さんのご主人と談笑していたところ、「そこにあるダンボールのもの持って行っていいいよ。もらい物だし、邪魔になるから」と言われ、箱の中を見るとスクリューマウントだろうか望遠レンズや引き伸ばしレンズ、古いパトローネなどジャンクな物がたくさん入っている。使わなくなって処分に困った方がカメラボディやレンズを修理屋さんに持ち込んでくることがよくあるらしい。中にはくもり玉だがタナーの13.5cmF3.5があり、「うわぁありがとうございます」と言いつつも、でも自分の部屋もジャンクなカメラやレンズで溢れかえっており置き場所に困るだけかもと思いながら、それでもホクホクしながら持ち帰ったのである。

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