RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO


RIKENON P ZOOM 1:3.4-4.5 35-70mm MACRO

 現代では単焦点レンズに匹敵、あるいはそれ以上の描画能力を持つズームレンズが存在するので、1970年代、80年代のズームレンズ創成期の頃のものはあまり顧みられることは少なく、中古価格も希少なものを除いて非常に安値に置かれている。古いカメラを愛好している方も、わざわざ大きく重い、描写もそれほどでもないズームレンズよりも、軽く写りの良い単焦点レンズを持ち出す方が多いでしょう。私も長い間、古いズームレンズに対するそのような偏見(というと大げさだが)を持っていたが、今回のリケノンズームは、この見方が全く間違いであることを認識させるものであった。

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カメラレビュー第9回 ヤシカ(1)


YASHICA

 ヤシカについてみなさんはどんなイメージをお持ちであろうか。大衆機、安っぽい、でも良く写る、そもそも知らない等々、きっと受け止め方は世代によって違うでしょう。最近ではブランドを取得した企業がヤシカエレクトロMCに似たデジタルカメラを発売しているので耳にした方もいらっしゃるかもしれません。もちろん今回レビューしたいのはそのYASHICAではなく、半世紀前にカメラ市場を賑わしていた日本のヤシカの方で、今後数回に渡って取り上げたいのですが、いまだ修理中のボディや入手できていないレンズもあり、かなり長期戦になるのでご了承願いたい。

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Nikon F801


Nikon F801

 1988年発売なので四半世紀遅れのレビューとなってしまうがご了承願いたい。このニコンF801は私が自分の意志で初めて購入したカメラである。当時美大生であった私は大学での課題のために一眼レフカメラが必要となった。新宿のヨドバシカメラで、周りから勧められていたNikon NewFM2にするか、1/8000秒シャッター搭載の新しいF801にするか半日くらい店頭で悩みまくった末、結局口のうまい店員に勧められるままF801を購入したのだった。AF35-70mmズームレンズ付きでおよそ12万円ぐらいしただろうか、当時の世の中はバブル真っ盛りで浮かれた時代であったが、広島から出てきた貧乏美大生には全く無縁の話で、購入後数ヶ月ほど生活が苦しかったことを記憶している。約30年経った現在NewFM2は中古にもかかわらずあまり価格が下がっていないが、F801はあるカメラ店で1000円ちょっとで売られているのを見たときに私は涙が出てきそうになった。しかし金融資産の価値として見ればこの選択は間違っていたが、実用の資産として見れば決して間違っていなかったと、30年の付き合いになるこのカメラを眺めつつ断言する(強がり含む)のである。

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