鏡
鏡を撮るのは難しい。真実を写すのか虚像を撮るのか、又は自らを入れて虚栄を表すのか。古(いにしえ)の日本では銅鏡として宝物にもなっていたが、綺麗に歪みなく映るものほど価値があったのだろうか。
カメラのレンズには、どうしても歪みが出てしまうものがあるが、それを正すことを補正するという。「正しく補う」ことを必要とするならば、歪んでいることは間違っていると言えるが、そもそも人間の眼は歪みなく像をとらえているのかと問われると少々怪しい。綺麗で真っ直ぐな線で表されているものを正しいこととして思い込んでいる、あるいは思わされていることはないか。
フィンセント・ファン・ゴッホは、おそらく彼自身知覚した風景を正確にキャンバスに描いていたと思うが、あの歪んだ教会や糸杉は間違って描いていると断言できようか。
(上:YASHICA 35 / VELVIA 100、下:Leica M6 + SUMMILUX-M 1:1.4/50 ASPH./ KODAK E100)