模造
コンクリートで作られていた、木を模した柵。以前ミノルタの作例を撮り歩いていた頃に出会ったものだが、台風で倒れた木にあたったのだろうか、鉄芯まで見えるその様は少しグロテスクだ。景観を損なうことなくある程度耐久性のある柵を設けたのだろうが、何らかのアクシデントでその内実が剥き出しになったとき、自然とは異質な光景に戸惑ってしまうことになる。柵としての機能を失った結果、「木のような何か」に変貌している。都内には他にもこうした造形物が至る所に設置されているが、このようなものは決して自然な形で時間を重ねる(枯れる)ことはできないだろう。
(Minolta35 I SUPER ROKKOR 1:2.8 f=45mm / AGFA PhotoVista 200)
参考文献