風景画
私がまだ中学生だった頃、美術の授業で風景画を描く課題があって、通学路であった住宅地を水彩で描いたのだが、美術の先生からはコンクリートやアスファルトばかりでつまらないと言われてしまった。そして、別の時に描いた印象派風の田んぼの風景は良いと言う。私はこの評価に不満を覚えた。いつも見慣れているコンクリートの風景はなぜ駄目なのだろうか。同じ風景ではないかと思ったものだ。
画面の再構成
時を経て知見を重ねたのち、当時感じたことは貴重な違和感であったと今にして思う。少数の理解する人に作るか、多くの人に作るのか、「一(いち)」に売るか「多」に売るか、今は数字が大きいのが良いとされる時代だが、数少ない「観る人」が見たらニヤリとするものを作るのか。
ニコンレンジファインダー時代の3.5cmF1.8レンズは開放から1、2段絞った時、独特な立体感が出る。既存の構築物を物体として画面に配置するのに良い。また、絞った時の鋭いキレは画面を分割するのに役立つ。
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